(ソース:http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/119)
アーロン・フォーサイス
彼が新しい機能を紹介するということは、覚えなければならない新しいルールが必ず1つはあるということを意味する。
マジックのルールをいつも勉強しているなら、レギオンでの「変異誘発」の働きは難しいものではない。
だがそうでない人のために、古いルールの上にどのように新しい展開が行われるのかを説明するための下地塗りをしよう。
変異はスタックを使用しない。だが、変異により誘発した能力はスタックに乗るのだ。
変異で表向きにすることに対して対応することはできないが、表向きになったことで誘発する能力に対して対応することができる。 それらは別々のイベントなのだ。
実際のカードで例を挙げてみよう。《泥岩皮の根こそぎ獣/Shaleskin Plower(LGN)》を表向きにすることには対応できない。だが、《泥岩皮の根こそぎ獣》の誘発型能力が土地を対象にとってスタックに乗ったら、それに対応することができる。
《泥岩皮の根こそぎ獣/Shaleskin Plower(LGN)》
3赤 クリーチャー -- ビースト(Beast) (3/2)
変異:{4赤}.
Shaleskin Plowerが表向きになったとき、土地1つを対象とし、それを破壊する。
以上の説明でパックから出してすぐに遊ぶには十分だろうが、マジックのルールの複雑さを楽しみたいというだけか、ルールの知識を必要としているのならば、以下の質問に答えてみてほしい。
あなたは《セラの天使/Serra Angel(7E)》をコントロールしている。対戦相手は《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》を変異で表向きにした。あなたは対応して《皮を剥ぐ者》へ《闇への追放/Dark Banishing(7E)》を使い、《セラの天使》が殺されることを防げるだろうか?
《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》
1黒 クリーチャー -- ゾンビ(Zombie) (2/1)
変異:{3黒黒}.
Skinthinnerが表向きになったとき、黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない。
A) 不可能だ。
変異はスタック(CompRules 502.26a)を使わないので、変異に対応することはできない。
変異が宣言され、コストが支払われ、《皮を剥ぐ者》は表向きになる。表向きになってしまったら誘発型能力はスタックに積まれる。そのあとあなたは優先権を得るのだが、その時点で《皮を剥ぐ者》は黒のクリーチャーなので、《闇への追放》の正当な対象ではない。《セラの天使》は《皮を剥ぐ者》の能力で死ぬことになるだろう。
あなたは《セラの天使》をコントロールしている。対戦相手は《皮を剥ぐ者》を変異で表向きにした。あなたは対応して《皮を剥ぐ者》へ《ショック/Shock(ONS)》を使い、《セラの天使》が殺されることを防げるだろうか?
A) これも不可能だ。
変異はスタックを使わないので、変異に対応することはできない。
変異が宣言され、コストが支払われ、《皮を剥ぐ者》は表向きになる。表向きになってしまったら誘発型能力はスタックに積まれる。そのあとあなたは優先権を得て、そこで《ショック》をプレイすることができる。《ショック》は《皮を剥ぐ者》を殺すが、誘発型能力はすでにスタックに乗っている(そして発生源がどうなっていようと解決する)ので、誘発型能力の解決時に《セラの天使》は死ぬことになる。
CompRules 402.6には、「いったん起動した、あるいは誘発した能力は擬呪文として、発生源とは無関係に存在する。そのあとで発生源が破壊されたり乗り除かれても能力には影響しない」とある。
あなたは《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth(ONS)》をコントロールしている。対戦相手は《皮を剥ぐ者》を変異で表向きにし、変異誘発の能力の対象を《貪欲なるベイロス》にした。あなたは対応して《貪欲なるベイロス》を生け贄に捧げることができるだろうか?
A) 可能だ。
変異はスタックを使わないので、変異に対応することはできない。
変異が宣言され、コストが支払われ、《皮を剥ぐ者》は表向きになる。表向きになってしまったら誘発型能力はスタックに積まれる。そのあとあなたは優先権を得て、そこで対応して、《貪欲なるベイロス》を生け贄に捧げることで4点のライフを得ることができる。正当な対象が存在しないため、《皮を剥ぐ者》の能力は打ち消されることになる。
あなたは《貪欲なるベイロス》をコントロールしている。対戦相手は《セラの天使》と変異クリーチャーをコントロールしている。対戦相手が《皮を剥ぐ者》を変異で表向きにするのに対し、《セラの天使》を対象にとらせるために《貪欲なるベイロス》を生け贄に捧げることができるだろうか?
A) できない。
変異はスタックを使わないので、変異に対応することはできない。
変異が宣言され、コストが支払われ、《皮を剥ぐ者》は表向きになる。表向きになってしまったら誘発型能力はスタックに積まれる。そのあとあなたは優先権を得る。しかし、誘発型能力がスタックに積まれる際に対象は選ばれてしまった後であり、一番死ぬ可能性が高いのはあなたの《貪欲なるベイロス》だろう。 あなたが優先権を得てから、対応して《貪欲なるベイロス》を生け贄に捧げて4点のライフを得ることはできるし、正当な対象がないために《皮を剥ぐ者》の能力は打ち消されるのだが、《セラの天使》を殺すように仕向けることは不可能だ。
対戦相手は「青」に指定した《変容する大空/Shifting Sky(PS)》と、《セラの天使》と裏向きの《皮を剥ぐ者》をコントロールしている。あなたは「ゾンビ」と指定した《仕組まれた疫病/Engineered Plague(7E)》をコントロールしている。あなたは《こじ開け》を《皮を剥ぐ者》に使い、表向きにして誘発型能力を誘発させようとする。対戦相手は、《仕組まれた疫病》が《皮を剥ぐ者》を殺す前に、《皮を剥ぐ者》自身を対象にとらせることができるだろうか?それとも《セラの天使》を対象にとらなければならないだろうか?
A) だめだ。彼は《セラの天使》を対象にとらなければならない。
《こじ開け》が解決したとき、《皮を剥ぐ者》は表向きになる。しかし、すべての状況起因効果がチェックされるまで、誘発型能力はスタックに乗らないのだ。
CompRule 420.3には、「すべての適用可能な状況起因効果は単一のイベントとして処理され、チェックは繰り返される。発生する状況起因効果がなにもなくなったら、誘発型能力がスタックに積まれ、それから適切なプレイヤーが優先権を得る」とある。
であるから、青い《皮を剥ぐ者》は《仕組まれた疫病》のために0点のタフネスになり、状況起因効果によって墓地に置かれる。その後変異誘発がスタックに積まれる。この時点で残っている正当な対象は《セラの天使》だけであり、対象にとらなければならない。
すこしの推測と常識的判断でもって、あなたは上記の筋書きを変異誘発の大部分に応用することができる。
まだカードの機能についてよくわからなかったり、プレリリース会場でこんがらがってしまったら、近くのジャッジに相談するといいだろう。
彼らは助けるためにそこにいるのだから(デュエル中には聞かないこと!)。