ビハインド・ザ・カンバス 2002年3月27日
毎月、トビー・ヴァクターはさまざまなマジックのアーティストにインタビューしていく予定である。これはゲームのイメージを創り出す人々の人生を見ることをマジックの共同体で許してくれるし、それぞれのアーティストが、我々全員が大好きなクールな絵を描きあげるユニークな過程を見ることも提供するだろう。
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マット・カヴォッタ氏は《スキャンダル売り/Scandalmonger(MM)》に甘く囁きかける。
我らが最初のアーティスト、マット・カヴォッタ氏は、プレイヤーには《探索するフェルダグリフ/Questing Phelddagrif(PS)》、《気高き豹/Noble
Panther(IN)》、《玉虫色の天使/Iridescent Angel(OD)》、《アナボルバー/Anavolver(AP)》の後ろの男として良く知られている。君達が彼の仕事のほとんどから言うことができるのは、マット氏は従来のファンタジー・アートとはやや外れた個性的なスタイルを持っているということだ。
「それは面白いことさ。俺が自分の作品を見るときはスタイルを見るんじゃない、俺がそれを見る方法でそれを見るだけさ。言うことができるとすれば俺がやろうとしたこと、ま、失敗に終わることもあるけどさ、使い古されたファンタジー・アートを避けること。
鉄製のブラつけたでかいパイオツのヒヨッコ戦士とか、素っ裸の大男とか、イヤーンな紫とキッツい黄色といったテカテカすぎのファンタジー・カラーのパレットとかな。いくつかの色が過激だってマジで言われる絵でない限りは、俺は素朴な色遣いのほうがよっぽどいいな」
もちろん、その過程で何の手助けもなく紫のカバを描くことが最初からできたわけではない。マット氏の母親は絵描きであり、美術の先生である。そして「いつも私たちはクレヨンで楽しんでいたし、そうしていると安心できるのよ」
彼はゲーマーと運動選手の間の奇妙な陰陽印のように大きくなった。彼はフットボールのような身体的ゲームをするし、それと同じくダンジョンズ&ドラゴンズみたいな精神的なゲームもした。ふたつの全く違った世界のバランスをとるのはちょっと難しく思える。しかしマットはそれを十分に受け止めていた。
「俺は自分の'センス'のどれかに100%ピッタリ当てはまるものを一度も見たことが無いんだ。いつものことさ。俺の興味が普通のパッケージでは変われなかったという事実がそれをすることと関係がないといけないんだけどな。俺はゲーム馬鹿で、脳味噌まで筋肉のフットボール狂で、下手な絵を描くロクデナシで、野球が死ぬほど好きだ。金属頭でイージーリスニングが大好きというのが全部一緒になってるヤツさ」
マット氏は高校になって絵を描くことに力を入れ始めた。彼の母親から教えられて3時間コマーシャルアートクラスに出席したりもしたのである。広告業をすることについて考えていろいろ試してみた後、絵描きと挿絵の仕事に集中することに決めたのだった。
高等教育とアーティストの息子として育ったことは確かに助けになった。しかしマット氏はマジック・アーティストとして特に効果的な特別訓練をしていた。…彼は君たちのようなゲーマーなのだ。
「ゲームをすることが俺の大好きな趣味だってことと、俺が絵を描くことが俺が大好きなアレと関係があるってことがマジでクールだと思うんだ。そいつは面白いだけじゃなくて、俺をもっといい絵描きにしれくれるとマジ信じてる。自分が仕事でやってるゲームに関心を持って、それを別の力仕事にも応用するのさ。
俺は自分が仕事でやってるゲームの歴史的な知識も覚えるから、それがどういう働きをするか、何が失敗だったか、プレイヤーたちがどういう反応を返すかわかるんだ。誰かと遊ぶのは楽しいし、ゲーム中に俺が描いた絵のカードでやっつけられているんだとわかるのも半分だけ面白いな」
ゲームは、マット氏が作るのを楽しんでいるファンタジー・アートとも繋がっているのだ。
「ファンタジー・アートは、想像力の世界の中にある完全な存在だという他の'芸術'の一面を支配しているんだ。創造力と奇妙さの多量の投与で現実にわずかに根を張るだけのファンタジー・アートってのが好きなんだ。なんにでも写真を参考にするのは避けるようにしてる。それでイラストが駄目になって現実世界に引き戻されてしまう傾向があるからな。ま、体のポーズとかなにかで完璧に呆れかえる極端な場合、俺がカメラに金を使い尽くしちまうってことかな」
マット氏がマジックを遊び始めたのはザ・ダークが発表されたころまでさかのぼる。ゲームのために絵を描き始めたのよりずっと前のことだ。ゲームをプレイすることとアーティストであることは、彼自身にそれらの面白さを統合したがらせた。
「それについて特別に何か得ることもなしに、いろんなアーティストたちが走り書きを昔してたのと少なくとも同じくらいは俺も手をかけてたんじゃないかと言える。その点については、しかしながらだ。俺の仕事はクロとかシロとかで、まったくファンタジー関連でもなかったな。L5R[レジェンド・オブ・ファイブリングズ]や、ミソスとかいろんなゲームで俺は自分のチョップを研ぎつつ2年を過ごした」
数年間かけて数多くのサンプルを提出した後に、マット氏は最終的に、彼の絵が起用されたはじめてのセットとなるメルカディアン・マスクスで仕事を始める要請を得た。十分皮肉なことに、彼は誕生日に要請を受けたのだ。言うまでも無いが、君達が数年間遊んできたゲームの絵を描く注文を受け取ることは、特別なバースデープレゼントであるべきだ。そのときから、一貫した基盤のうえでマジックのエキスパンションのために絵を描くこととなった。
自分のカードアートに自分自身を描き入れるアーティストも何人かいる。マット氏はフォトショップを好んで使っている。
ゲームをプレイすることに関してはどうなのだろう?マット氏はマジックへ特別なアプローチがあっただろうか?
「こういうのは俺が特別に好きな数少ないものなんだぜ。アーティストとして、俺はゲームが提供する創造性と個人的な接触の機会を評価してるんだ。チェスぅ?つまんね。あんたのモノと俺のは同じモノじゃないか。毎回な。俺のかわいいボウヤたちで楽しむために遊ぶこともできて、PTQに出て競争心の飢えを満たすために遊ぶこともできるのがいいんだよ。これは俺にとってヒジョーに重要なんだ。
俺はラケットボールはできないし、フットボールもバレーボールも面白いと思ったこと無いな。そういうのは、他でやってるもので、俺はやんない。マジックは家の中にいる子供と競争心の強い男性の両方を受け入れるのに十分なほど柔軟だ。
最後に、たぶんほとんど、俺はその社交的な面が好きなんだ。ビデオゲームはまったくもって気に入らない。ときどき気晴らしにやるのは面白いさ。でも人と遊ぶのは、前へ後ろへしゃべくって、マノとマノをやりあうのはコンピューターのモニターをじっと見ながらプラスチックのスティックをガチャガチャやるのよりかずっと楽しいぜ」
多くのプレイヤーとまったく同じように、もっとも地位の高い世界のマジック・トーナメントサーキットでスポットを浴びることを強く願いながらマット氏はプロツアー予選に出たこともある。
「その時が来るかも知れないから、いつもの俺より数段真剣にやってたこともある。俺はゾンビデッキを使ってる。だから俺はカジュアルになってるが、俺が好きなマジックは何時だってPTQみたいなトーナメントで起こるのさ。俺はいつもは地元のショップで子供らを負かしてるけど、俺がどこへも行ってなかったときよりずっと奴らは上手くなってる。
俺が日の目を見たのは数年前のことさ:ウルザズサーガのシールド戦のPTQだった。俺は6-1-1で抜けて、トップ8になった。次にかなりダメだと言われてた赤をドラフトして、そいつで決勝まで行ったんだ−−−あとはPTの常連、ジョン・マークスに負かされるだけだった。それほど近くて、でもやっぱりあまりにも遠いところさ。そこからすべて南向きになっちまった」
彼は競争的な傾向を確かに持っているけれども、マット氏はインターネットからのデッキをコピーするのではなく、彼独自のデッキを使うのが好きなのだ。
「俺は全部の種類のデッキを使うよ。アグレッシブ、コントロール、コンボ、風変わりなやつ、テーマデッキやなんかをな。でもすべて一つの共通のスジが通ってる。100%ぜんぶがマット製でなければいけないということさ。俺はゼッッッタイにネット製のデッキをプレイしないし、ネットや地方のショップから切り取ってきたような良く似ているだけの構築済みのデッキを作るようなことはしない。
何千枚ものカードが使えるのに、どうしてティミーがするような同じモノを持ち歩かなければならないんだよ。最近、俺は《盗用/Plagiarize(TO)》と《テフェリーの細工箱/Teferi's
Puzzle Box(7E)》コンボを利用したデッキを作ろうとしてた。なかなか上手くいかないから、動かす前にお目にかかることもないかもな」
マジックのための絵を創る過程は、ゲームが初期のころはまだかなり単純だった。アーティストはカードの名前を伝えられる。そして絵を描くのにそれ以外何もなかったのだ。今は、複雑なストーリーライン、キャラクターの特徴、特別なガイドラインがついてくる。
例えば、セファリッドを描くために正確な方法がある。これがなかったら、各アーティストたちは自分流のセファリッドを異なったやりかたで創りだすだろう。そして《セファリッドの文化破壊者/Cephalid
Vandal(TO)》も、《セファリッドの物あさり/Cephalid Looter(OD)》も、《セファリッドの仲介人/Cephalid Broker(OD)》もぜんぜん似ていないものになってしまうだろう。マット氏が描いた3つの作品で、用意された解説と完成した作品について彼がどのように手探りしていったのかを見てみることにしよう。
《探索するフェルダグリフ/Questing Phelddagrif(PS)》
アート解説:「場所:森が開けたところの澄んだ湖。筋肉質の、大きく育った羽根の生えた紫色のカバが激しく自分を水から空に飛び立たせている。カバには巨大な牙が下あごから突き出ている。それをできる限り威嚇的なものにすること(すなわちひょうきんにしてもいけないし漫画チックにしてもいけない)」
この大きい、脅かすようなカバの最新バージョンはひとつの挑戦として提出された。なぜなら、アライアンスのカードにすでにフェルダグリフが存在しているからである。オリジナルのカバの絵は大いに際立っている。それは漫画チックであり、ほとんどお遊びのようだったからだ。
それは確実にカードではあるのだが、その絵は原稿として対戦相手を脅かすものではない。《探索するフェルダグリフ/Questing Phelddagrif(PS)》はもっと意地が悪いことを、絵から区別できるし、かなり邪悪だとはっきり言える。
マット氏はこう説明している。
「俺は、俺のカバがケツを蹴飛ばすやつになっただろうことを正直に言えるよ。たとえ彼らがそういうふうにしろと言ってこなくてもね。でも彼らはそうしたんだ。俺が思うに、彼らは'おばか'カードにしたくないということをはっきりしたかったんだろうな」紫のカバを描くことは、アーティストにとってもちょっと妙な挑戦であった。
しかしマット氏は難問に対し最高のものを作り上げることに成功した。
「俺はこの色合いが気に入っててね。何時間もカラースケッチで失敗してな。俺が紫カバを描かなくちゃいけない事実は、ヤツが俺に相性を与えたんだ。最後には、コイツは俺が今まで一度も使ったことがなかった新しいパレットを考え出させるという祝福に収まったのさ」
マジック・プレイヤーとして、マット氏は古いフェルダグリフの能力が好きだ。だがこのクリーチャーの彼なりの解釈で、彼はより幸せだと言えるのは確かだ。
「俺はホントは昔のフェルダグリフのメカニックのほうがいいんだ。殺しにくいし、手札に戻る能力は強いから。だけど新しいやつはパンチが効いてるな。俺はこの絵が殴ることが追加されたことを示していると思う」
ガイドラインの一節には、このクリーチャーの色を反映させるために絵の中に緑色と青色と白色を使うようにとある。しかしマット氏はそれではこのクリーチャーがあまりにも軟弱に見せてしまうと考え、その代わりに彼は、クリーチャーのどうもうなイメージを失う危険を冒さないで、カードの持ち味を損なわないままで別のアプローチを採ったのである。
「俺は木と、水と、空をはっきり見せることで、緑と青と白色にあてはめたんだ。こいつは重要でね、なんでかと言うと俺はイラストに緑と青と白と紫を使いたくないんだ。それじゃ'お遊戯室'になっちまうだろ」
《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage(PS)》
アート解説:「場所:ケルドの戦場。女性のスカイシュラウド・エルフがコロスの獣に乗りファイレクシア人を乗り越えている。エルフは彼女の鎧か衣服に赤の連合シンボルと白の連合シンボルをつけている」
このクリーチャーは興味深い。なぜならプレーンシフトにおける5つのサイクルの一つだからだ。各色にはそれぞれ、友好色が別々の能力を提供する戦闘魔道士がおり、5つすべての間の色体系が上手くミックスされている。それぞれのアーティストがどうのように自分だけの独自の戦闘魔道士を解釈したのかを見ることもまた、面白いものである。
用意されたガイドラインを区別できるように、マット氏は絵の中に含まなければならなかったクリーチャーの種族の異なったタイプが数多くあった。これはちょっとした挑戦となる。なぜなら、カードアートそのものはカードに入れられるときに小さくなってしまうので一つの作品にある要素のすべてを読み取るのは難しくなってしまうからだ。
「ときどき、解説は先の見えないトンネルみたいなときがある。2インチ四方に全部収まるようにしなきゃいけないことなんて忘れちまってるようなものを注文してくるんだ。戦闘魔道士の場合は、彼女自身から焦点をずらしてしまうような要素は削ってしまうことにした。彼女はでかい牛に乗っている小さなエルフになってるから、ファイレクシア人と若干の背景を加えると彼女のポイントが少なくなってしまうじゃないか。ウルザの塔の周辺に戦闘魔道士がいるんでもない限り、ケルドの戦場を本当に見せたいとは思わないな」
彼は求められた要素の大部分を絵の中にそのまま入れることに苦心した。ファイレクシア人はどこだろう?
「コロスの20フィートくらい下だな。ぺちゃんこにされて地面で煙を吹いてる」
連合シンボルを描くにあたって、マット氏は違ったアプローチをすることにした。それらを服に描き入れるかわりに杖に入れたのだ。
「もっとクールにできる何かが欲しかったんだ。'戦闘魔道師'っていうよりはまるでロデオしてるエルフだと言われるような何かが。戦闘用杖は要求に見事に合ってると思う」
マット氏は完成品に満足した。お定まりのファンタジーアートを外したいという彼の願望を反映したものであるところが特に。
「これは、赤の光線をクリーチャーに、白の光線をお大事に持ってる品物に撃ちこむ粋なヤツに簡単にできた。
カードのより正確な描写だけど、コワイコワイ絵になったと思う。マジックのアートにはたくさん光線が出てくる。《摘出/Extract(OD)》に光線があると仮定したとする。でも俺は機会を待って新しいアイデアに食いつきたいという完全に別物のなにかを送ることに決めたんだ。君らもよく知ってるように、《摘出/Extract(OD)》の頭には誰かを撃つ光線は存在しない。どういたしまして、だ」
《ドワーフの祭殿/Dwarven Shrine(OD)》
アート解説:「これは赤の魔法の学校にある記念品かトロフィーのように見える赤のカードである。たくさんの炎がさまざまな種類と大きさの管から出ている」
カードの絵のクオリティは必ずしもカード自信の強さを反映するわけではない。結果として、面白い、革新的な絵の多くのカードが大して注意を払われずにいる。なぜなら、決して頻繁にはプレイに出てこないからだ。
そういうカードの完璧な例が《ドワーフの祭殿/Dwarven Shrine(OD)》だ。カードをよく見て欲しい。古典的な赤のカードの多くを参考にしているのがわかる。《火の玉/Fireball(5E)》、《シヴ山のドラゴン/Shivan
Dragon(7E)》、《ボール・ライトニング/Ball Lightning(5E)》、《ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan(6E)》、《混沌の魔除け/Chaos
Charm(MI)》などがすべて描かれているか、ほのめかされている。
マット氏に送られた解説は過去のカードを含めるようには言っていない。だが彼は今までかなり長い間ゲームを遊んできて、プレイヤーとしての経験でそれを描くことができ、歴史的風味を出して絵を豊かにするためにそれを使ったのだった。
「赤の品物とアーティファクトが博物館か祭殿に飾られているようなもんだと解説は要求していた。俺は絵の中でマジックの歴史的筋肉をちょこっと収縮させてみることにしたのさ。《混沌の魔除け/Chaos
Charm(MI)》や《ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan(6E)》なんかのような、それと関係のある品々のカードについて考えた。《ボール・ライトニング/Ball
Lightning(5E)》や《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon(7E)》みたいな、
いくつかの赤の象徴も同じように入れたかった。ドラゴン全部を描きいれることはできないのは明らかだったから、俺は爪を描くことでよしとした(そのアイテムは一番前に飾られてる)。俺はドラゴンの爪を目立つように示すことに決定したので、絵は今までに見たこともない絵に焦点は当たらなかったんだな」
なぜこんなユニークなアプローチをしたのですか?
「長年のプレイヤーたちはこいつがクールだと思うだろうと思ったんだ。俺がプレイヤーじゃなかったら、まったくもってこんなことができたとは思えないな」
不運にも、大部分のプレイヤーはカードの伝統的な味を実感することさえない。なぜならそれをプレイすることもまれで、数秒と眺めることもないからだ。アーティスト側としては、最後には見落とされるようなカードのための絵を描くことは明らかに失望することなのだ。
「そんなのはいつものことさ。《水銀の壁/Quicksilver Wall(PR)》は俺の気に入ってる作品の一つなんだがな、このカードは祭殿の2倍くらいダメなんだ。俺はちゃんと動く祭殿デッキを作ってみようかと思ってるんだけど−−−たぶんダメだけどな、でもちゃんと動くやつを。《水銀の壁/Quicksilver
Wall(PR)》は完璧に使えないし。カスレアってお目にかかることも難しいし、そういうのに限ってメチャイカス絵があったりするんだよな」
マット氏は、次のマジックのエキスパンションであるジャッジメントには2枚だけ作品を描いている。しかしいつもそれらを作るのにもっと多くの時間もかけている。彼はプロツアー・ニースやジェネコンにも出ていて、そこで君は自分のカードに彼の個性溢れるサインを貰うことができる。
彼はカードに太いシャーピーマーカーで黒い四角を書き、その上に銀のペンでサインを入れる。
「俺がね、最初にサインしたカードの束はそうじゃなかったんだけどね。俺のツレが《スキャンダル売り/Scandalmonger(MM)》のフォイルにサインをくれって言ってきたとき、ちゃんと出るペンが黒のシャーピーと銀のペイントペンしか見つからなかったんだ。で、その両方を使うことにしたわけさ。ばかでかい黒のマーカーでその人のカードをざくざくやり始めるときに、俺がジョークのいくつかをお遊びで入れてるのを見る人もいるだろうけど、たいていの人はそれを気に入ってくれるけど、カードのテキストまで黒ペンがかかっちゃったときがあって、何人かは怒っちゃったこともあったなぁ」
マット氏は、「'ジョッキル博士とナード氏がガマンする'変換と小さな手柄もない」妻カイリーとオハイオ州クリーブランドに住んでいる。マジック:ザ・ギャザリングに加え、彼の絵はダンジョンズ&ドラゴンズや、ヴァンパイア:エターナルストラグル、ミソス、ロード・オブ・ファイブリングズ、ガープス、燃ゆる砂の伝説、時の車輪、セブンス・シー、ウォーロード、RIFTSでも描いている。また、マット氏はフリーランスで玩具のデザインやwebプログラミング、アルバムのカバーを手がけている。
http://www.cavotta.com/で、君はプリントや、オリジナルアート、その他のグッズを買うことができるし、カードアートが作られていく過程や描かれたカードアートについてもっとよく知ることができる。
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Matt Cavotta Card Gallery
第7版
《墓所のネズミ/Crypt Rats(7E)》
《ファイティング・ドレイク/Fighting Drake(7E)》
《ゴブリンの洞窟探検家/Goblin Spelunkers(7E)》
《冬眠/Hibernation(7E)》
《霊感/Inspiration(7E)》
《疫病甲虫/Plague Beetle(7E)》
《ゴミあさり/Scavenger Folk(7E)》
オンスロートブロック
《乱打する岩角獣/Battering Craghorn(ONS)》
《精力の冠/Crown of Vigor(ONS)》
《敵意の信奉者/Disciple of Malice(ONS)》
《未来予知/Future Sight(ONS)》
《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver(ONS)》
《首を狩る者/Headhunter(ONS)》
《疑い深い濃霧獣/Leery Fogbeast(ONS)》
《共生のワーム/Symbiotic Wurm(ONS)》
《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn(LGN)》
《皇帝ヘルカイト/Imperial Hellkite(LGN)》
《鉤爪の統率者/Caller of the Claw(LGN)》
マスクスブロック
《口輪/Muzzle(MM)》
《レイモス教の空の元帥/Ramosian Sky Marshal(MM)》
《スキャンダル売り/Scandalmonger(MM)》
《地下格納庫/Subterranean Hangar(MM)》
《交易路/Trade Routes(MM)》
《法をもたらす者/Lawbringer(NE)》
《苔犬/Mossdog(NE)》
《ダルの網使い/Netter en-Dal(NE)》
《菌獣の群落/Saproling Cluster(NE)》
《霊的避難所/Spiritual Asylum(NE)》
《ピグミー・レイザーバック/Pygmy Razorback(PR)》
《水銀の壁/Quicksilver Wall(PR)》
《再考/Rethink(PR)》
インベイジョンブロック
《梢のうねり/Canopy Surge(IN)》
《女帝ガリーナ/Empress Galina(IN)》
《狂った怒り/Maniacal Rage(IN)》
《山/Mountain(IN-343)》
《気高き豹/Noble Panther(IN)》
《ファイレクシアのレンズ/Phyrexian Lens(IN)》
《立つか転ぶか/Stand or Fall(IN)》
《ツリーフォークの癒し手/Treefolk Healer(IN)》
《ボス・カヴー/Alpha Kavu(PS)》
《闇の疑惑/Dark Suspicions(PS)》
《探索するフェルダグリフ/Questing Phelddagrif(PS)》
《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage(PS)》
《アナボルバー/Anavolver(AP)》
《黒檀のツリーフォーク/Ebony Treefolk(AP)》
《疲れ切った反応/Jaded Response(AP)》
《ツンドラ・カヴー/Tundra Kavu(AP)》
オデッセイブロック
《ドワーフの祭殿/Dwarven Shrine(OD)》
《摘出/Extract(OD)》
《異形の這うもの/Frightcrawler(OD)》
《玉虫色の天使/Iridescent Angel(OD)》
《秘教の幻想家/Mystic Visionary(OD)》
《降り注ぐ塊炭/Shower of Coals(OD)》
《動かぬ生/Still Life(OD)》
《溶岩の飛散/Volcanic Spray(OD)》
《ナントゥーコの病木刈り/Nantuko Blightcutter(TO)》
《平行進化/Parallel Evolution(TO)》
《空翼のエイヴン/Skywing Aven(TO)》
《厳格な裁き人/Stern Judge(TO)》
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著者トビー・ヴァクターは、13歳の頃からマジックをプレイしている。そのときから彼はゲームの数多くの段階を通っており、子供が買える少ないパックで《凄腕の暗殺者/Royal
Assassin(4E)》を引こうと望んでいた。ジュニア・スーパー・シリーズプレイヤーになり、ときにはプロツアープレイヤーであり、これまでの数年間はゲームのメディアの面により身を裂いており、サイドボードのウェッブサイトと雑誌で記事を書き、大学での自分の研究の妨げにならないときはマジックのトーナメントでイベントの取材をしている。
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(この翻訳はよりマジックの理解を深めるための手助けを目的としたものであり、権利者に被害を与える目的ではないことを明言しておきます。)
(ソース:http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/28)
#アーティストの素顔が見られるコラム、ビハインド・ザ・カンバスの登場です。一月に一人とか言ってましたが、スケジュールの都合とかもあって隔月になりつつあります。
アーティストたちに共通した姿勢として、「伝統的なスタイル」を極端に毛嫌いする典型とも言えるのがマット氏ではないでしょうか。いろいろ暴言も吐いてますが(笑)